環境マネジメント
環境理念・方針
JFEグループ各社は、環境理念と環境方針に基づき、「地球環境との調和」と「地球環境の向上」を企業活動の中で実現することを目指し、地球環境保全に向けた革新的な技術開発、国際協力を積極的に推進します。
環境理念
JFEグループは、地球環境の向上を経営の重要課題と位置付け、環境と調和した事業活動を推進することにより、豊かな社会づくりをめざします。
環境方針
1. すべての事業活動における環境負荷低減
2. 技術、製品による貢献
3. 省資源、省エネルギー事業による貢献
4. 社会とのコミュニケーションの促進
5. 国際協力の推進
環境マネジメント体制
JFEグループは「グループCSR会議」のもと、JFEホールディングス社長を議長とする「グループ環境委員会」を設置し、環境目標の設定、達成状況のチェック、グループ全体の環境パフォーマンスの向上、その他環境に関する諸問題の解決に取り組んでいます。
特に気候変動問題など、経営にとって重要な課題については、グループ経営戦略会議でも審議し、さらに取締役会への報告を行っています。取締役会は報告を受けた環境課題について議論することを通じ、監督しています。また、それぞれの事業会社・グループ会社でも専門委員会を設置し、企業単位の活動を進めています。
グループCSR体制は以下を参照ください。
環境マネジメント組織体制
環境マネジメントシステムの推進
JFEグループ各社は、自主的かつ継続的な環境活動の強化に向け環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001の認証取得を推進しています。JFEスチールとJFEエンジニアリングのすべての生産拠点とJFE商事の主要な国内外の事業所でISO14001を取得しており、本報告書の報告対象範囲80社の総従業員数41,305名に対するカバー率は75%、全拠点に対するカバー率は58%となりました。また、2019年度の各社における罰金を伴うような重大な環境法令違反は0件、罰金・違約金の総額は0円でした
JFEスチールでは、本社および各事業所に環境管理部門を設置するとともに、活動を適切にマネジメントするため、社長を委員長とする「地球環境委員会」や事業所単位の「環境管理委員会」を設置、監督を行っています。
JFEエンジニアリングでは、製作所、支店等の各拠点、建設工事現場における環境管理の実施、およびすべての商品、サービスによる環境貢献を目的として環境マネジメントシステムを運用しています。2020年度は、①地球温暖化防止と気候変動対策などに寄与する商品による環境貢献を推進、②拠点・業務の実情に即した実効的な省エネルギーおよび資源循環の推進、③廃棄物処理法違反防止、の3項目を重点課題として取り組んでいます。
JFE商事は、2000年に本社・大阪支社・名古屋支社でISO14001を取得しました。
ISO14001関連の定量データは以下をご参照ください。
ESGデータ集:環境データ環境監査
JFEグループは、ISO14001取得事業所の外部監査・内部監査に加えて、各製造拠点への本社の監査部門や環境部門による独自かつ独立した部門による環境監査を実施しています。
JFEスチールでは、本社監査部と環境防災・リサイクル部により、各拠点に対して年1回の監査を実施しています。グループ会社については、設備保有状況などを勘案したリスク評価結果をもとにグループ分けしたうえで、1~5年に1回、チェックシートを活用したきめ細かな監査を実施しています。

インドネシアのJSGIの環境監査状況
JFEエンジニアリングは、環境法令遵守を最も重要な課題の一つとして取り組みを行っています。
環境法令の遵守状況を確認するために、工事所掌部署によるすべての建設工事に対する環境巡視、および製造拠点(鶴見・津)における法令適合状況のセルフチェックを毎年実施しています。加えて、国内の建設工事と製造拠点、およびグループ会社の拠点より年間50カ所程度を抽出し、安全環境部による環境法令監査を実施して遵守状況を評価しています。また、環境マネジメントシステム内部監査により、環境パフォーマンス向上に向けた取り組みの有効性を評価し、改善に努めています。
JFE商事は、ISO14001の認証取得グループ会社においては年に1回、ISO環境監査部が内部環境監査を実施しており、未取得グループ会社については、3年に1回監査部が環境監査を実施し、現場の法令遵守状況を確認しています。
環境監査関連の定量データは以下をご参照ください。
ESGデータ集:環境データ環境教育
すべての従業員が積極的に環境保全に取り組む企業風土の醸成を目指し、JFEグループの各事業会社では入社時研修を皮切りに、階層別、職種別の教育研修など、さまざまな環境教育を実施しています。
JFEスチールでは、公害防止管理者資格の取得を励行しています。2011年度からは、グループ各社の環境管理者への環境管理研修を実施しています。また、環境法令の遵守に向けた研修、グループ環境エネルギー連絡会で法改正を周知する研修、実務者向けの廃棄物管理スキルアップ研修を実施しました。
JFEエンジニアリングでは、環境への取り組みの方針を周知するために、グループ会社を含めた全従業員に対して環境一般教育を実施しています。また、事業拠点および建設工事における環境管理を確実に実施するために、従業員の業務に応じた教育を行い、レベルアップを図っています。
2020年度はそれぞれの部門のニーズをより確実に充足するために、安全環境部と各部門が連携して教育プログラムを作成し教育を実施する取り組みを行っています。
JFE商事グループでは環境教育として、ISO14001活動に基づいた全従業員対象の一般環境教育と内部環境監査員養成の研修を各々年1回、実施しています。このほか、グループ各社に対しては環境関連法遵守チェックリストを活用した法令遵守の周知徹底、新任役員への環境研修および環境担当者への法改正等の情報展開を行っています。
環境教育関連の定量データは以下をご参照ください。
ESGデータ集:環境データ環境会計
環境会計の考え方
JFEグループは、生産設備の高効率化や環境対策設備の導入によって、省エネルギーと環境負荷低減を実現してきました。これらの取り組み費用に関して、省エネルギー対策設備・環境対策設備については投資額として、環境保全・環境負荷低減に要する費用については環境活動推進費用額として把握しています。
環境設備投資と環境活動推進費用
2019年度の環境関連設備投資額は468億円、また環境活動推進費用額は1,131億円でした。設備投資額では地球温暖化防止対策(気候変動問題対応)が267億円と最も多く、次いで、大気汚染防止へ110億円、水質汚濁の防止に対して41億円の投資を行いました。なお、全設備投資に占める環境関連設備投資の割合は約19%でした。
環境活動推進費用は、大気汚染防止に関する費用が341億円、地球温暖化防止(気候変動問題対応)に関する費用が276億円、工業用水の循環利用に関する費用が183億円となりました。また、環境関連の研究開発費用は113億円でした。
設備投資の推移
JFEグループは、省エネルギーの推進、生産活動に伴う環境負荷の低減を目指し、技術開発の成果も踏まえながら、積極的な設備投資を進めています。省エネルギー対策投資は、1990年以降の累計で5,321億円にのぼり、世界最高レベルのエネルギー使用効率を実現しています。また、環境保全投資は、1973年以降の累計で7,276億円に達しています。
環境活動の成果
環境設備投資と環境活動推進費用の効果としては、地球温暖化防止に関してはCO₂排出原単位の改善、資源の有効活用に関しては再資源化率の高位維持による最終処分量の削減を図っています。環境保全に関しても、水域環境や大気環境への汚染負荷物質排出の削減に取り組み、排ガス・排水の法基準値の安定達成によるコンプライアンスの徹底にも寄与しています。
なお、環境設備投資と環境活動推進費用に対し、2019年度は約46億円の省エネルギー効果を見込んでいます。
環境保全コストの内訳
主な内容 | 2019年度 | ||
---|---|---|---|
投資額(億円) | 費用額(億円) | ||
マネジメント | 環境負荷の監視・測定、EMS関連、環境教育・啓発など | 1 | 26 |
地球温暖化防止 | 省エネルギー、エネルギー有効利用など | 267 | 276 |
資源の有効活用 | 工業用水の循環 | 39 | 183 |
自社内発生物のリサイクル、廃棄物管理など | 0.6 | 51 | |
環境保全 | 大気汚染の防止 | 110 | 341 |
水質汚濁の防止 | 41 | 113 | |
土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下の防止 | 0.4 | 6 | |
その他 | 賦課金など | - | 15 |
研究開発 | 環境保全・省エネルギー・地球温暖化防止のための技術開発 | 10 | 113 |
社会活動 | 自然保護・緑化活動支援、情報公開、展示会、広報など | - | 7 |
合計 | 468 | 1,131 |
※ 集計範囲:JFEスチール(株)、ただし研究開発のみJFEエンジニアリング(株)を含む。
環境会計関連の定量データは以下をご参照ください。
ESGデータ集:環境データ環境配慮型プロセス・商品の開発と提供
詳細は以下をご参照ください。
環境配慮型プロセス・商品の開発と提供マテリアルフロー
詳細は以下をご参照ください。
マテリアルフロー